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「今回、新規生の中にはフィンガーフートさんの息子がいるんだって」
「え?領主の息子なのに、騎士団に入るなんて何かあったのか?」
「なんでも、小間使いが入団希望したとかで、一緒についてきたって噂だぜ」
「なんかそれって、小間使いやってる奴は気の毒じゃねえ?」
「全くだな」

ガイエン海上騎士団の宿舎内の食堂で先輩たちの話し声が聞こえる。
先輩、とはいえ年は多分、俺のほうが上だろう。
俺は小さな港町で、漁師をしている両親の一人息子だった。
そこでベテラン漁師夫婦、なんて言われていたのに、急な嵐に巻き込まれたのか、
漁に出たきり行方知れずになってしまった。
俺はまだ海で漁をするには子供すぎて、家で帰りを待っていた。
留守がちな両親だから、自然に家事は身についた。
もう戻らないことも知らず……2ヶ月くらい待ち続けた。

ある日、海に両親の乗った船のマストらしきものが流れ着き、現実を知った。
漁師として働こうにも、船を買うお金は無かった。
そんなとき、この騎士団の話を聞いた。
身寄りの無い者でも入団でき、衣食住、不自由なく、任務をこなせば給料も出る。
要は、自分の命を売ったようなものかもしれないが、俺は迷わず騎士団に入隊することにした。
実際にラズリルに来て、意外と自分より若い入団希望者が多いことに驚いた。
正式な入団式の前に、宿舎に入り、大抵の顔ぶれは覚えた。
皆、それぞれいろんな理由でここにいる。

だから、気になった。
領主フィンガーフート氏の息子と、その息子の小間使いと呼ばれている人物に。
俺のいる場所からは遠くに見えたが、一際豪奢な鎧を身に着けた銀の髪の少年がおそらく領主の息子。
その隣にいる華奢で少しやせ過ぎているような……並んでいるせいか見た目で一目で小間使い、
という印象が残った。
きっと、本当は自立目的で騎士団にやってきたかった……勝手に俺はそんなことを思った。
すぐにでも彼と話す機会があるだろう、そのときにいろいろ話してみたいと思った。
多分、遠目に、彼の目が力強い意思を放っているように感じたから。
本来、領主の息子が本心で騎士団員など目指すわけがないから。
一体、何があるのか好奇心が湧いた。

「今日はスペシャルランチの日だからよ!俺、もう少し腹減らすことにするぜ!」
「残って自主訓練するっていうから、あたし、タルってカッコいいとこあるな〜って思ったところだったのに……
そういうことかあ」
「でも、タルらしいじゃないか」
「そうですね。なんだかそのほうがタルに合っていると思います」
「だーーーもう、なんだよっ。みんな揃って理由いわないほうが良かったみたいな言い方しやがって……
ま、でもそういうわけだから、先に戻ってていいぜ」
俺が騎士団員になって、一ヶ月が経った。
まだ本格的な海上訓練はなく、基本的な剣術訓練ばかりだったが、一緒に組んで訓練をしたり、
宿舎が同じこともあって打ち解けて話せる仲間もすぐに増えた。
ただ、まだフィンガーフート氏の息子とその小間使いという人物とは会話したことがなかった。
同じ宿舎にいないことが、やっぱり大きいことと、いつでも優先的に二人で組んでいるため、他の人物と接触する機会がほとんどないのだ。
そして相手が騎士団の財政を補助している領主の息子だから、気軽に話しかけるというわけにもいかない……
という暗黙の了解が周囲に浸透している。
一言で言ってしまえば、この二人には話しかけにくい、のだ。
下手なことを言って、機嫌を損ねたら、街にいられなくなるとか。
それどころか、処刑されるとまで噂されている。
騎士団の戒律を破るより、領主に逆らうことのほうが大罪に値するってことだろう。
だが、俺は話をしてみる気でいる。
処刑されるのは遠慮したいが……。

ガイエン海上騎士団。
この組織は他国に攻めるためのものではなく、あくまで自国を守るためのものだとか、
どこか緊張感に欠けているような気はするが、その方針は俺に合っている。
釣竿ばかりを握っていた俺だが、剣術訓練は嫌いじゃない。
俺はさっき出てきたばかりのレンガ作りの訓練所に再び足を運んだ。
扉に手をかけようとしたそのとき……中からなんだか話し声がした。
「僕はもう帰るけど、レイ、キミは今日、ここに用意されている部屋に泊まってくれないか?
知ってのとおり、今日は家に大事なお客様が来るからね。行儀良く上品にしてないといけないんだ、わかるよね?」
引き返そうにも勢いを止めることができず、俺は扉を開けてしまった。
話の途中で登場した俺に、一瞬、二人は驚いた顔で俺に注目する。
「ちょうどいい、キミ、レイの剣術訓練の相手をしてくれないか?僕は家に戻らなければならないから。
ま、ということだから……悪く思わないでくれ、レイ」
唐突に肩を叩かれ、領主の息子は振り向きもせずその場を去った。
「あ、今のが……スノウ坊ちゃん、なんだよな?俺、邪魔しちまったか?」
話をしたいと思った相手を目の前に、俺は自然とこんな言葉を発していた。
レイ、と呼ばれていた彼は、仕える相手が自分から去ったことと、その相手が俺を指名したこと……
とにかく初対面の俺に対して戸惑いを隠せないようだ。
「そ、その、とりあえず手合わせ、願おうか……」
俺はとりあえず剣を構える。
黙ってレイはそれに答えるかのように、剣を交えてきた。
黙々と剣を交えているうちに、つい俺は本気で相手を剣ごと突き飛ばしてしまった。
地面に叩きつけられ、文句の1つも言うものだろうと思っていたが、レイは苦悶の表情を浮かべただけだった。
「あっちゃーわりい!つい力入れちまった。どう見たって俺のほうが体格良いのに、押したりしてすまねぇ。
立てるか?」
俺はそういって、手を差し伸べると素直にその手をつかんできた。
「お前、二刀流のほうが向いてるんじゃねぇか?なんか、剣交えてみてそんな気がしたんだけどよ……
ここの新人騎士団員は片手剣しか扱わせてもらえないからな〜ちゃんとした騎士になるまで、
この剣に慣れたほうが良いぜ」
そういって体を起こしてやると、彼は驚いた顔で俺を見つめる。
「…………今の訓練で、そんなことまでわかったの?」
おそらく、スノウ以外に口を利いた騎士団員は俺が始めてなんじゃないか?
そんなことを思わせるほど、小さな声だった。
きっと昔から、あまり大声を出して話したり、できる立場じゃないのだろう。
「ん?なんつーか、剣の振り方がぎこちないっていうか、違うな……軽いってのか?
軽く2回振っている感じっつーか……うまく説明できねぇけど、そんな気がしただけなんだ。
わりいな、初対面なのに気に触るようなこと言って」
「僕は……確かに子供の頃、二刀流っぽいことしてたよ。そのとき、会った人が僕に言ってくれたんだ、
様になっているって……人に誉められるの、それが初めてだったから嬉しくて、ずっと練習してたんだ」
小さい声だが、自分の言葉で自分の話を語ってくれた。
小間使いというイメージがあったせいか、俺は少し意外に思った。
こいつは自分の意思が弱いわけじゃない。
自分の意思で歩きたいと思ったから、騎士団に志願したんだろう。
そして、初対面の人間には、かしこまった話し方をすると勝手に思っていたから、
普通に友達に話すように言葉を返してくれたことも意外だった。
もっといろいろと話をしてみたい気持ちがますます強くなった。
その俺の気持ちを見抜いたように、レイは意外な言葉を続けた。
「あ、あの……良かったら、これから僕の部屋で……その、話相手になってくれる?えっと、なんか……
上手く言えてないね」
照れくさそうに笑うレイの表情は、本心がそのまま表れている。
普段、きっとこんな顔を見せることは無いのだろう。
俺はそれが、久々に笑った、と言っているような気がした。
「おう、いいぜ!興味あるしな〜宿舎じゃない同期の騎士団員の部屋」
「え?…………先輩じゃないの?……あっ」
声が大きかった、と思っているのか、レイはあわてて口を手でふさぐ。
本来なら、普通の声量だ。
「なんだ、普通に話せるじゃねぇか。いいんだぜ、ここには領主様はいないし、
お前が普通に声出したって気にするヤツは誰もいない。つーか、むしろお前と普通に話してみたいってヤツ、
多いと思うぜ。俺だってそうだ」
「あ、その……ごめん……なさい。僕、あなたに名前、言ってませんでしたよね。レイって言います。
あと……なんか……なれなれしく話してしまってごめんなさい。ええと、部屋、案内します」
何かに思い当たったのか、訓練場から部屋に向かいながら、レイは再び小声で、そして急に丁寧な口調で言った。
「おいおい、今更かしこまって話さないでくれるか?普通に話せって言ったばかりだぜ。
だいたい俺だってお前と同じじゃねぇか……初対面でなれなれしいのは俺のほう」
「でも……僕より年上のようですから」
「あ〜もう、それ気にされると俺どうしていいかわかんねえよ。
同期の騎士団員なんだから年齢なんて関係ねぇだろ?同じ訓練生なんだからよ」
「わかりました……じゃなくって、うん、わかったよ……で……あの名前は?」
「あ、俺はタルっていうんだ。何度も言うけど、俺は確かにお前や他のみんなより年上だけど、
お前と同じ日に騎士団の訓練生になったから、先輩とか思うなよな」

レイに案内された部屋は、宿舎の俺の部屋より広いものだった。
多分、領主の計らい……というものなのだろう。
隣が厨房になっていて、さっきからいい匂いがしてくる。
「はい、タル」
レイは部屋を急に出たと思ったら、すぐに厨房からだろうか、冷たい水を持って部屋に戻ってきた。
俺はその水の入ったコップを受け取って、一気に飲み干した。
「やっぱ体動かした後の水はうめぇな〜」
「だよね。僕もそう思う」
テーブルにコップを置いて、一息つくと、レイは言った。
「タルは……どうして騎士団に入ろうと思ったの?」
「俺?俺はさ、両親が死んじまって、それで働きたかったんだけど、あまりお金が無くってさ……
ここの存在を知って志願したのさ。このとおり体だけは丈夫だからな」
俺はベッドに腰掛けてレイの問いかけに答えた。
漁師になりたい、というのは、今日剣術で不意打ちっぽいとはいえ
レイを負かしてしまった俺が言ってはいけない気がしたから黙ることにした。
レイはベッドの前に立ったまま続ける。
「そうなんだ……僕は……両親の顔さえ知らないから、ちょっとタルがうらやましいよ」
「そっか、お前もじゃあ、俺と同じで天涯孤独な身の上なんだな」
あまり悲壮感が漂わないように俺は軽く受け答える。
「レイ、お前もその椅子なり、ベッドなり、座れよ。見下ろされるのはなんか俺も話しにくいしさ」
「ご、ごめん……僕、今までスノウ以外の人とまともに話したこと、なくて」
レイは人ひとり分の間を取って、ベッドに腰掛ける。
俺に対して、まだ遠慮している部分があるのだろう。
「だから……その、上手く言いたいこと言えなくて……ごめん」
「レイ、とりあえず、その、ごめん、ってのは無し。俺、お前に謝られるようなことはされてないし。
俺だって、話が上手くできるほうじゃない。俺さ〜お前を入団式で見てからずっと、話をしてみたいな〜って思ってたんだ。なんか、その強い意志ってのを感じる目をしてるし、本当はスノウって逆らってはいけない人間から自立したいんじゃないかなって思って」
俺はいきなり核心を付くようなことを言ってしまった。
それは、多分、レイは本音で語れる人間をまだ知らないからこそ、本音を言いやすくするために、意識したことだ。
「スノウもフィンガーフートさんも……そんなに悪い人じゃないよ。
僕は彼らに海で遭難していたところを救ってもらったから、ここにいる。
周りで僕が小間使いだって言われているのを知っているけど……当然だと思っているから。
それにね、スノウは二人だけのときは、普通にしゃべっていいって、スノウって呼んでくれって、言ってくれた。
だから僕は友達だと思っている」
強い口調で話すレイの目は自分の手元の空のコップを見ている。
俺は逆鱗に触れたのかもしれない。
「勝手なこと言っちまって悪かった、ごめん」
俺はすぐさまレイに謝罪を述べた。
すると、レイは意外な返事をした。

「僕はタルに誤られるようなことはされてない。だから、ごめん、って言うのは無し、でしょ?……
今日、初めて話をするのに、タルにそんな風に言われて……びっくりしてる。
僕は確かに、スノウから離れて自立したいって思って、騎士団に入ろうとした。
僕はやっぱり、顔に感情、表れちゃうほうなのかな?
自分では、本音を見せないようにしているつもり、なんだけど……」
レイは困ったような顔を俺に向ける。
「んー話してみたら、結構、レイは思っていたより感情のある人間だと、俺は思うぜ。
話さなかったら、多分、気が付かなかったろうけど。もしかして、小声で話すのは、
お前なりに本音がバレない様にしてるってことか!」
「タルは凄いね、僕の気持ちが読まれているみたいだ……
僕はずっと、そうしないと家に置いてもらえなかったから……でも、いつまでもそんな生活、続けられないから」
領主の家、ともなると庶民とは生活習慣も来客の質も、庶民とは別なのだろう。
もともとそういった家柄の人間は、そういった家柄の者としか関わりを持たない。
そこに幸か不幸か、レイは拾われたのだ。
その世界に長くいれば、自分は人に仕えるものだと、他人に依存する方向に染まっていくものだが……
レイは染まれなかった。
染まれないから、自分を隠しとおすしかなかったのだろう。
「レイだって凄いと思うぜ、普通は自立しようなんて思わず、
一生仕えていくってのが一般的な筋だと思うしよ。レイはさ、強い意志のある目をしているから、
俺応援したくなるよ」
「ありがとう、タル。自分でもその一般的な筋が理解できるから、この騎士団に入団すれば、
自立もできるし、フィンガーフートさんのためにも働けるし、良いと思ったんだよね。
スノウもまさか、一緒に騎士団に入るなんて言うと思わなかったから。友達が一緒なら立派な騎士にすぐになれる!
なんて言って」
レイは真っ直ぐな瞳を俺に向けた。
「でも、時々思うんだ……僕とスノウは本当に友達なのかって。
そもそも僕に、スノウ以外の友達なんて……いないって気が付いて……
きっと、タルも明日、スノウと一緒の僕を見たら、声かけたりしないんだよね」
真面目な話をしている、真面目に答えなくてはいけない、俺はそう思いながらも、つい声を出して笑ってしまった。
レイの困惑した顔を見て、俺はすぐ、我に返ってフォローする。
「わりい、真面目に話しているのを茶化しちまった。怒ってくれていいぜ。
けどよ、その……俺は、もう、レイは友達だと思ってる。明日になって、
スノウ坊ちゃんと一緒にいるレイを見たって声かけるさ!スノウ坊ちゃんとだって一度、
ちゃんと話をしてみたいし。レイは俺が友達だって思うこと、迷惑か?」
俺はレイの目を見て、真面目に言い切った。
「迷惑だなんて思ってない。明日は僕から……タルに声をかけて良いかな?
けど、タルには、いっぱい友達いるんだよね?他の人と一緒にいるタルに……僕が近づいて良いの?」
不安そうな表情で、レイはつぶやいた。実際、不安なのだろう。
だが、俺と話したことがきっかけで、自分の意思をしっかり持っているレイなら、
新しい友達や仲間を見つけることは容易いように思う。
「大丈夫だって。もしお前に対して、お前が嫌がることを言うようなヤツがいたら、
俺はレイの味方になるぜ。それに、今、俺が一緒にいる仲間は、お前を受け入れてくれるようなヤツばかりだから。
気にしなくていいぜ」
「……タル、これからよろしくね。でも僕は、スノウにも感謝しなきゃ……」
レイが何かを続けようとしたその時、部屋のドアがノックされた。

「お〜い、レイ?ここ開けてくれる?」
その声は、スノウではないようだ。
この部屋を訪ねる者の心当たりが無いのか、レイは立ち上がって、ドアを開ける。
開けると同時に、部屋にいい匂いが漂ってくる。
「レイの部屋に初めて、友達が来て話が弾んでいるようだから、
邪魔したくなかったんだけど……食事、もう冷めちゃうから持ってきたよ」
「あ、ありがとうございます、フンギさん!」
いい匂いのするソレが乗ったトレイを受け取ると、レイはにこやかな笑顔で、俺に言った。
「料理長さんの特別ランチ、一緒に食べよう……食事の時間が過ぎてたこと、
話に夢中で全然気が付かなかった。お腹、空いてたことも忘れてた」
「あぁ!確かにもう宿舎戻っても食事の時間は終わってる!
あんなに楽しみにしてたスペシャルランチだったのになぁ〜うぅ……でもこれ、
スペシャルランチより豪華みたいだな。レイ、ありがたく頂戴するぜ」

目の前の食事が空になるのは早かった。
意外とレイは、大食いなのだと言った。
普段はこんなに食事を出してもらえないから、なんか食べ過ぎた感じもする、なんて笑って言っていた。
話が途切れると、少しの沈黙。
俺もレイも、今日始めて会ったばかりなのに、その沈黙も気まずいものではない。
レイのほうは多少緊張はしているようだが……。
「あの、タル……僕、こんなふうに誰かと一緒に話しながら食事するのも初めてなんだ。
ご、ごめんね……黙り込んじゃったりして」
「そっか……でも、今のも、ごめん、は余計だぜ。
あ、じゃあさ〜お前、今度一緒に釣りに行かねぇか?誰かと遊びに行く、ってのもまだ知らないだろ?」
俺がそう持ちかけると、レイは嬉しそうに目を輝かせて言った。
「え?僕と、一緒に遊んでくれるの?……その、僕がタルより上手に出来ても、
怒ったり機嫌悪くしたり……しない?」
スノウ坊ちゃん相手では、多分、何かと比べられ、
そして何かと加減を強いられてきたからこんなことを言うんだろう。
「当たり前だろ!普通、友達ってそういうもんなんだぜ」
「……でも、僕……釣りしたことない……ちゃんとできるかな?」
「遊びなんだから、ちゃんとできなくっても良いんだよ。それに俺が釣竿の握り方から教えてやるぜ!」
「楽しみだなあ。僕、スノウもフィンガーフートさんも今日みたいに、
お客様が来たりしたら家に近づけないから……そのとき、お願いしていい?」
「ああ、こっちはいつでもいいぜ」
俺はそういって、レイに握手を求める。
レイはその手を力強く握り返した。

「ところで、レイ、お前、何か言いかけてたよな?」
「うん……僕、スノウのおかげでタルに話すことができたから、
感謝しないとって言いたかったんだよ……僕、スノウともいつか、心を開ける日が来たらいいなって思ってる。
タル、こんなことでも僕の力になってくれる?」
「ああ、もちろんだ」

俺は、レイの力になろう。

きっと俺たちは良い友達になれる。

そう、思った。